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CHILD SAFEGUARDING

こども性暴力防止法

令和8年(2026年)12月25日 施行
OUTLINE

こども性暴力防止法とは

教育・保育などこどもに接する場での性暴力を防ぎ、こどもの心と身体を守るため、令和6年6月に成立した法律です。児童等に教育・保育等を提供する事業者に対し、従事者による児童対象性暴力等を防止する措置を講じること等を求めています。

正式名称
学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律
施行日
令和8年(2026年)12月25日
所管
こども家庭庁
通称
こども性暴力防止法(報道等では「日本版DBS」と呼ばれることがあります)

※ 本法にいう「児童等」とは、①学校(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、幼保連携型認定こども園)に在籍する幼児・児童・生徒、②①以外の18歳未満の者、③高等専門学校の第1学年から第3学年又は専修学校(高等課程)に在学する者をいいます(法第2条第1項)。

DEFINITION

「性暴力」と「不適切な行為」

本法が防止の対象とするのは、犯罪に該当する行為だけではありません。事業者は、性暴力に至る前段階の「不適切な行為」についても、その範囲を自ら定め、周知することが求められます。

児童対象性暴力等

教員性暴力等防止法第2条第3項の「児童生徒性暴力等」及びこれに相当する行為をいいます(法第2条第2項)。例えば次の行為が該当します。

  • 児童等との性交等
  • わいせつな行為
  • 児童買春や児童ポルノに関わる行為、性的姿態の撮影
  • 衣服の上から又は直接の身体接触、盗撮
  • 性的羞恥心を害する言動であって、児童等の心身に有害な影響を与えるもの
不適切な行為

それ自体は児童対象性暴力等に該当しないものの、業務上必ずしも必要とはいえず、継続・発展することにより児童対象性暴力等につながり得る行為をいいます。

  • 児童等と私的な連絡先(SNSアカウント等)を交換し、私的なやり取りを行う
  • 休日や放課後に、児童等と2人きりで私的に会う
  • 私物のスマートフォン等、ルール外の方法で児童等を撮影・管理する
  • 不必要に児童等と密室で2人きりになろうとする
  • 業務上必要でない身体接触を行う
  • 特定の児童等の保育・介助等を、理由なく担当しようとする
SCOPE

対象となる事業者

対象事業者は、措置の実施が義務となる「学校設置者等」と、認定を受けて措置を実施する「民間教育保育等事業者」に大別されます。

義務

学校設置者等(法第2条第3項)

学校教育法関係

  • 幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校
  • 専修学校(高等課程)

認定こども園関係

  • 幼保連携型・幼稚園型・保育所型・地方裁量型 認定こども園

児童福祉法関係

  • 児童相談所(一時保護施設を含む)
  • 指定障害児入所施設等、乳児院、母子生活支援施設、保育所、児童館、児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設
  • 指定障害児通所支援事業(児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援)
  • 乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)
  • 家庭的保育事業等(家庭的保育・小規模保育・居宅訪問型保育・事業所内保育)
  • 登録一時保護委託者
認定(任意)

民間教育保育等事業者(法第2条第5項)

教育関係

  • 専修学校(一般課程)・各種学校における児童等を専ら対象とする教育事業
  • 高等課程類似教育事業(内閣府令で定めるもの)
  • 民間教育事業(学習塾、スポーツクラブ、ダンススクール、フリースクール等)

児童福祉関係

  • 指定障害児通所支援事業以外の児童発達支援事業、放課後等デイサービス事業、居宅訪問型児童発達支援事業、保育所等訪問支援事業
  • 児童自立生活援助事業、放課後児童健全育成事業等
  • 子育て短期支援事業、一時預かり事業、病児保育事業、小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)
  • 意見表明等支援事業、妊産婦等生活援助事業、児童育成支援拠点事業、認可外保育事業

障害福祉サービス関係

  • 指定障害福祉サービス事業(障害児に対する居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援)
よくある誤解 ― 公立か民間かで決まるわけではありません 公立の施設・事業であっても法第2条第5項に該当する事業であれば認定対象となり、民間の事業者が行う事業であっても法第2条第3項に該当するものであれば義務対象となります。例えば、私立の学校法人が運営する学校等は義務対象であり、公設公営の放課後児童クラブは認定対象です。
PRACTICAL POINTS

こどもに関わる場所ではたらく方へ

法律の全体像は、こども家庭庁の資料に丁寧にまとめられています。ここでは、勉強会・セミナーでよく「そうだったのか」と言われる2つだけをお伝えします。

① 「3年あるから、まだ先」ではありません

いま働いている方(施行時現職者)の犯罪事実確認は、施行日から3年以内、つまり令和11年12月24日までに終える決まりです(法第4条第3項、施行令第4条)。

ただし、全国の対象者が約280万人と見込まれるため、申請の時期はあらかじめ割り振られます。ご自身がいつの申請時期に割り当てられるかを選ぶことはできません。最も早い時期が割り当てられた場合には、令和9年4月から6月までの間に、犯罪事実確認書の交付申請を行う必要があります。

時期内容
令和8年12月25日
〜令和9年3月
新しく採用する方を優先して確認する期間。この間は、いま働いている方の確認は行いません。
令和9年4月
〜令和11年6月
いま働いている方の確認を行う期間(27か月)。私立学校や児童福祉施設などは、都道府県ごとにこの27区分のどこかに割り当てられます。公立学校は、各教育委員会が分け方を決めます。
令和11年7月
〜令和11年12月24日
それでも終わらなかった場合の猶予期間。ここで必ず終える必要があります。
令和11年12月24日法定の期限。これを過ぎても確認が終わっていない場合は、犯罪事実確認義務の違反になります。

申請の時期は、いつ・どこから知らされるのか

通知の流れは、公立学校とそれ以外とで異なります。

都道府県立学校・市町村立学校の場合

申請時期は国が割り当てるのではなく、各都道府県教育委員会が管内の市町村教育委員会と協力して決めます。採用年次、学校単位、学校種別、学校所在地による分け方が例として挙げられています。各都道府県教育委員会は、令和8年10月20日までに申請工程表をこども家庭庁に提出することとされています。

  • 学校へ 申請対象月の5か月前教育委員会から、申請対象月と該当する方の情報が学校に伝えられます。令和9年4月が申請対象月なら、令和8年11月です。
  • ご本人へ 申請対象月の4か月前学校から、申請が必要になること(戸籍の提出が要ることなど)が伝えられます。

私立学校等、児童福祉施設・事業の場合

こども家庭庁が、令和9年4月以降の27区分に47都道府県を割り振り済みです。施設・事業所に伝わる時期は、割り当てられた申請対象月によって三つに分かれます。

  • 申請対象月が令和9年4月〜7月所轄庁が通知を受け取り次第、速やかに施設・事業所へ通知されます。
  • 申請対象月が令和9年8月〜12月申請対象月の1年前のタイミングで所轄庁から通知されます。令和9年8月なら令和8年8月1日以降です。
  • 申請対象月が令和10年1月〜令和11年6月所轄庁を経由せず、こども家庭庁からシステムを通じて直接通知されます。

そのうえで、ご本人へは申請対象月の4か月前に、学校設置者等または施設・事業所の長から伝えられます。

なお、申請対象月が令和10年1月以降にあたる場合は、所轄庁からの個別の通知ではなく、こども性暴力防止法関連システム(こまもろうシステム)を通じて、申請対象月の1年前のタイミングで各学校設置者等へ直接通知されます。ガイドラインでも、各事業所の申請時期を事業者にシステム上で通知することとされ、準備期間を踏まえて一定期間前に通知する予定と示されています。

最も早い時期が割り当てられた場合、準備は令和8年中に始まります 令和9年4月が申請対象月になった場合、ご本人へ伝える4か月前は令和8年12月、公立学校で教育委員会から学校へ伝える5か月前は令和8年11月。施行の前後には、もう動き始めていることになります。

しかも、割り当ての順番は、対象となる方に「あと2年は確認されない」といった見通しを持たせないよう、ランダムに決めるとされています。遅い時期に割り当てられることを前提に構えることはできません。

あわせて、期限は「申請する期限」ではなく「確認書を受け取って確認を終える期限」です。交付までの標準処理期間は、日本国籍の方で2週間から1か月程度、外国籍の方で1か月から2か月程度とされています。戸籍の取得に使う識別符号にも3か月の有効期限があり、早く取りすぎても無効になります。逆算が要ります。

出典:こども家庭庁支援局参事官(こども性暴力防止担当)「こども性暴力防止法における施行時現職者の犯罪事実確認書の交付申請の分散方法について」(こ支性第63号・令和8年7月8日)「2.分散申請のスケジュール(別紙3)」及び「3.分散申請の具体的な方法」/こども性暴力防止法施行ガイドライン(令和8年9月1日改訂)341頁「図表120 学校設置者等における施行時現職者の犯罪事実確認の分散(イメージ)」、342頁から343頁、169頁/こども性暴力防止法Q&A(こども家庭庁)基礎編6-5。表は上記の記載をもとに当事務所が作成したものです。

②「交付申請手続きが間に合わない場合の従事者等の確保」については、「特例が使えるから大丈夫」とは安易に考えないでください

確認が間に合わないときの例外(いとま特例)はあります。ただし、これは法律が定めた三つの条件をすべて満たしたときだけの、狭い例外です。

  • 内閣府令が定める「やむを得ない事情」に当たること。これは思いつくものを広く含む言葉ではなく、番号を振って限定的に並べられています。
  • 従事させるまでに確認を行ういとまがないこと。
  • 直ちに従事させなければ、事業の運営に著しい支障が生ずること。

ガイドラインは、この特例について「真に必要な場合にのみ適用されるもの」と述べています。

認められないとされている例
  • 定年退職などで欠員が見込めたのに、計画的に採用活動をしなかった場合。
  • 確認が終わるまで本部などでこどもと接さない仕事をしてもらえば足りる場合。つまり、こどもと接する仕事以外に回せるなら「著しい支障」には当たりません。
  • 内示の時期を早めても支障がないのに、慣行だからという理由で直前に内示した場合。この点についてQ&Aは、まず採用スケジュールの見直しを検討するよう求めています。
  • 契約の遅れはあったものの、標準処理期間を踏まえた余裕が十分にあったのに確認をしていなかった場合。
特例が使えても、そのままでは働いてもらえません 特例が適用される間、その方は「特定性犯罪事実該当者とみなして」扱うことになり、事業者は次の措置をすべて講じる必要があります。どれか一つで代えられるものではありません。
  • 原則として、こどもと一対一にさせないこと。相手が複数でも、未就学児や障害のあるこどもなど、異変を周りの大人に伝えられない状況であれば一対一とみなされます。
  • その方に、特例の趣旨と講じる措置、性暴力の防止に関する研修を受けてもらうこと。
  • 管理職が定期的に巡回し、声をかけること。
あわせて、「やむを得ない事情」に当たることを証する書類の保存も求められます。特例を前提にした採用計画は、実際には成り立ちません。

出典:こども性暴力防止法第4条第2項、第26条第2項、同法施行令第3条・第5条/こども性暴力防止法施行ガイドライン(令和8年9月1日改訂)Ⅵ.2.(3)いとま特例(170頁)、171頁「図表39 学校設置者等においていとま特例が適用される『やむを得ない事情』及び犯罪事実確認の期限」、173頁「図表41 『やむを得ない事情』の具体的な事例」、174頁から176頁/こども性暴力防止法Q&A(こども家庭庁)基礎編6-8、6-9、応用編6-14。

OUR SUPPORT

当事務所がお手伝いできること

こども性暴力防止法への対応は、「何をどこまでやればよいか」の切り分けと、事業所の実態に即した書面化が要点です。行政書士として、官公署への申請書類及び権利義務・事実証明に関する書類の作成という観点から、貴事業所の準備を支援いたします。

業務範囲について 就業規則その他採用関係書類の整備及び労働社会保険諸法令に基づく手続は、弁護士等専門家と連携又は適切な専門家をご紹介したうえで対応いたします。
PRICE

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初回のご相談は1時間無料です(2回目以降のご相談は30分5,000円・税別)。
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根拠資料

  1. 学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(令和6年法律第69号)、同法施行令、同法施行規則
  2. こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」(令和8年9月改訂)
  3. こども家庭庁「こども性暴力防止法に関するQ&A」(令和8年9月18日改訂)
  4. こども家庭庁支援局参事官(こども性暴力防止担当)「こども性暴力防止法における施行時現職者の犯罪事実確認書の交付申請の分散方法について」(こ支性第63号・令和8年7月8日)
  5. こども家庭庁「こども性暴力防止法」ページ https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety/efforts/koseibouhou

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