教育・保育などこどもに接する場での性暴力を防ぎ、こどもの心と身体を守るため、令和6年6月に成立した法律です。児童等に教育・保育等を提供する事業者に対し、従事者による児童対象性暴力等を防止する措置を講じること等を求めています。
※ 本法にいう「児童等」とは、①学校(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、幼保連携型認定こども園)に在籍する幼児・児童・生徒、②①以外の18歳未満の者、③高等専門学校の第1学年から第3学年又は専修学校(高等課程)に在学する者をいいます(法第2条第1項)。
本法が防止の対象とするのは、犯罪に該当する行為だけではありません。事業者は、性暴力に至る前段階の「不適切な行為」についても、その範囲を自ら定め、周知することが求められます。
教員性暴力等防止法第2条第3項の「児童生徒性暴力等」及びこれに相当する行為をいいます(法第2条第2項)。例えば次の行為が該当します。
それ自体は児童対象性暴力等に該当しないものの、業務上必ずしも必要とはいえず、継続・発展することにより児童対象性暴力等につながり得る行為をいいます。
対象事業者は、措置の実施が義務となる「学校設置者等」と、認定を受けて措置を実施する「民間教育保育等事業者」に大別されます。
学校教育法関係
認定こども園関係
児童福祉法関係
教育関係
児童福祉関係
障害福祉サービス関係
法律の全体像は、こども家庭庁の資料に丁寧にまとめられています。ここでは、勉強会・セミナーでよく「そうだったのか」と言われる2つだけをお伝えします。
いま働いている方(施行時現職者)の犯罪事実確認は、施行日から3年以内、つまり令和11年12月24日までに終える決まりです(法第4条第3項、施行令第4条)。
ただし、全国の対象者が約280万人と見込まれるため、申請の時期はあらかじめ割り振られます。ご自身がいつの申請時期に割り当てられるかを選ぶことはできません。最も早い時期が割り当てられた場合には、令和9年4月から6月までの間に、犯罪事実確認書の交付申請を行う必要があります。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 令和8年12月25日 〜令和9年3月 | 新しく採用する方を優先して確認する期間。この間は、いま働いている方の確認は行いません。 |
| 令和9年4月 〜令和11年6月 | いま働いている方の確認を行う期間(27か月)。私立学校や児童福祉施設などは、都道府県ごとにこの27区分のどこかに割り当てられます。公立学校は、各教育委員会が分け方を決めます。 |
| 令和11年7月 〜令和11年12月24日 | それでも終わらなかった場合の猶予期間。ここで必ず終える必要があります。 |
| 令和11年12月24日 | 法定の期限。これを過ぎても確認が終わっていない場合は、犯罪事実確認義務の違反になります。 |
通知の流れは、公立学校とそれ以外とで異なります。
申請時期は国が割り当てるのではなく、各都道府県教育委員会が管内の市町村教育委員会と協力して決めます。採用年次、学校単位、学校種別、学校所在地による分け方が例として挙げられています。各都道府県教育委員会は、令和8年10月20日までに申請工程表をこども家庭庁に提出することとされています。
こども家庭庁が、令和9年4月以降の27区分に47都道府県を割り振り済みです。施設・事業所に伝わる時期は、割り当てられた申請対象月によって三つに分かれます。
そのうえで、ご本人へは申請対象月の4か月前に、学校設置者等または施設・事業所の長から伝えられます。
なお、申請対象月が令和10年1月以降にあたる場合は、所轄庁からの個別の通知ではなく、こども性暴力防止法関連システム(こまもろうシステム)を通じて、申請対象月の1年前のタイミングで各学校設置者等へ直接通知されます。ガイドラインでも、各事業所の申請時期を事業者にシステム上で通知することとされ、準備期間を踏まえて一定期間前に通知する予定と示されています。
出典:こども家庭庁支援局参事官(こども性暴力防止担当)「こども性暴力防止法における施行時現職者の犯罪事実確認書の交付申請の分散方法について」(こ支性第63号・令和8年7月8日)「2.分散申請のスケジュール(別紙3)」及び「3.分散申請の具体的な方法」/こども性暴力防止法施行ガイドライン(令和8年9月1日改訂)341頁「図表120 学校設置者等における施行時現職者の犯罪事実確認の分散(イメージ)」、342頁から343頁、169頁/こども性暴力防止法Q&A(こども家庭庁)基礎編6-5。表は上記の記載をもとに当事務所が作成したものです。
確認が間に合わないときの例外(いとま特例)はあります。ただし、これは法律が定めた三つの条件をすべて満たしたときだけの、狭い例外です。
ガイドラインは、この特例について「真に必要な場合にのみ適用されるもの」と述べています。
出典:こども性暴力防止法第4条第2項、第26条第2項、同法施行令第3条・第5条/こども性暴力防止法施行ガイドライン(令和8年9月1日改訂)Ⅵ.2.(3)いとま特例(170頁)、171頁「図表39 学校設置者等においていとま特例が適用される『やむを得ない事情』及び犯罪事実確認の期限」、173頁「図表41 『やむを得ない事情』の具体的な事例」、174頁から176頁/こども性暴力防止法Q&A(こども家庭庁)基礎編6-8、6-9、応用編6-14。
こども性暴力防止法への対応は、「何をどこまでやればよいか」の切り分けと、事業所の実態に即した書面化が要点です。行政書士として、官公署への申請書類及び権利義務・事実証明に関する書類の作成という観点から、貴事業所の準備を支援いたします。
初回のご相談は1時間無料です。
「自社が対象になるのか分からない」という段階からお受けしています。
※完全予約制です。ご面談はお客様のご指定の場所、またはオンラインにて承ります。
根拠資料
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