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不服申立ての種類

不服申立てには3つの種類があります(行政不服審査法2~6条)

審査請求

行政庁の処分に不服がある者は審査請求をすることができる。

再調査の請求

処分庁以外の行政庁に審査請求できる場合において、法律に再調査の請求をすることできる旨の定めがあるときには、処分庁に対して再調査の請求をすることができる(法第5条)。比較的簡易な手続きで(ex.審理員の指名なし、行政不服審査会への諮問なし)処分の見直しを行う。再調査の請求が可能な場合において、処分庁に対して再調査の請求をするか、処分庁以外の行政庁に対して審査請求するかは自由に選ぶことが可能。ただし、審査請求を先に行った場合は再調査の請求は不可。

再審査請求

法律に再審査請求ができる旨の定めがある場合に可能(法第6条1項・2項)。原裁決等(以下をまとめて原裁決等という。原裁決:再審査請求をすることができる処分についての審査請求の裁決、原処分:当該処分)

審査請求

不服申立ての3種類の内「審査請求」による一審制が基本であり、再調査の請求や再審査請求は例外的なものに位置づけられるとされています。

なお、審査請求の対象となる行政庁の処分には行政庁の「不作為(法令に基づく申請に対して何らの処分もしないこと)」も含まれます。

【審査請求適格】

では誰でも審査請求をすることが可能なのでしょうか?この点、法律的には審査請求をするにあたり「適格があるか」という観点から「審査請求適格(不服申立て適格)」という表現をします。

行政不服審査法には「行政庁の処分に不服がある者」としか規定されていませんが(法第2条)、この不服申立て適格につき「当該処分について不服申立てをする法律上の利益がある者、すなわち、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう」という判例(主婦連ジュース事件 最判昭53・3・14)があります。

また、行政事件訴訟法第9条第2項には「裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。」とあり、こちらも考慮される必要があります。※参考(総務省、行政不服審査法事務取扱ガイドライン)

他にも重要な点はいくつもありますが、本日はこのあたりで。