行政書士法一部改正

おはようございます。きっとおそらく毎日続けられるであろうコラムという名のブログ投稿のお時間です。

今日は前日に少しだけ書いた行政書士法改正について書いていきたいと思います。

※なお、本稿に出てくる内容につきましてはあくまで私の個人的な所感に過ぎずそれによって生じるいかなる損害についても責任を負いかねますことをあらかじめご留意ください。

さて早速本題となりますが、通常国会(会期令和7年1月24日‐6月22日)にて提出されていた「行政書士法の一部を改正する法律案」が、衆議院本会議(同7年5月30日)・参議院本会議(同年6月6日)において可決及び成立し、施行は来年である令和8年1月1日となりました。

法律案要綱

法律案の要綱が衆議院のHPに掲載されており、内容は以下となります(一部抜粋あり)。

一 行政書士の使命
  行政書士は、その業務を通じて、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資することを使命とするものとすること。                     (第1条関係)

二 職責
 1 行政書士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならないものとすること。
 2 行政書士は、その業務を行うに当たっては、デジタル社会の進展を踏まえ、情報通信技術の活用その他の取組を通じて、国民の利便の向上及び当該業務の改善進歩を図るよう努めなければならないものとすること。
(新第1条の2関係)

三 特定行政書士の業務範囲の拡大
  特定行政書士が行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成することができる範囲について、行政書士が「作成した」官公署に提出する書類に係る許認可等に関するものから、行政書士が「作成することができる」官公署に提出する書類に係る許認可等に関するものに拡大すること。           (新第1条の4第1項第2号関係)

四 業務の制限規定の趣旨の明確化
  行政書士又は行政書士法人でない者による業務の制限規定に、「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」の文言を加え、その趣旨を明確にすること。                      (第19条第1項関係)

五 両罰規定の整備
  行政書士又は行政書士法人でない者による業務の制限違反及び名称の使用制限違反に対する罰則並びに行政書士法人による義務違反に対する罰則について、両罰規定を整備すること。                 (第23条の3関係)

所感

所感を述べられる立場にないですが、改正内容を読んで率直に思ったことを箇条書きで書いていきたいと思います。

【上記3の「特定行政書士の業務範囲の拡大」について】

行政書士が「作成した」➝行政書士が「作成することが出来る」への変更により、実際に行政書士が関与した官公署に提出する書類に係る許認可等に関するもののみならず、申請者が自身で作成した官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求・再調査の請求・再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続きについても、特定行政書士が代理できるようになりました。

  • 改正前は、申請者本人が許認可申請を行い申請拒否処分等不服のある処分をされた場合には、行政書士に再申請依頼をせずして、不服申立て手続きに関して代理特定行政書士に代理してもらうということができなかった。
  • 改正後は、当初の申請段階で行政書士が関与おらずまた行政書士による再申請がなくとも、上記でいうところの申請拒否処分等不服のある処分をうけた段階から不服申立て手続きについて特定行政書士が代理することができるようになった。
  • いわゆる、行政書士に対するフォロー的な立ち位置から申請者本人である国民のフォローが可能になることで、行政不服審査法の目的規定である第1条にある「…国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図る…ことを目的とする」にも資する。

…とこのようなところなのでしょうか。それではまた。